北アルプス山麓に広がる安曇野市。
5月は北アルプスを映す「水鏡」、夏は稲の緑色、秋は黄金に輝く稲穂など、どの季節も魅力的な田園風景が訪れる人々の心を癒してくれます。
加えて、北アルプスの湧水に育まれるわさび田や、多くの美術館やカフェなどが点在する見所満載な安曇野はまさに長野県を代表する観光地。
そんな安曇野を巡るのにおすすめなのが、「自転車」です。
アップダウンも少なく、案内表示も充実している安曇野はサイクリングビギナーにもぴったり!
今回はそんな安曇野を自転車で巡ったときの様子をご紹介します。
スタートは約120台の車が駐車可能な穂高神社
毎日往復8kmの道を自転車で通勤しているkoi。
少しでもこの通勤を楽にしたいと思い、数年前に購入した愛車(クロスバイク)を車に積み込み安曇野に向かいます。
安曇野サイクリングのスタート地点として選んだのは「穂高神社」。
というのも、穂高神社には120台ほどの車が駐車可能な、広い無料駐車場があるからなんです。
※穂高神社参拝者のほか、北アルプスの山々に登山に行かれる方々も駐車場としても利用されています。
なお、今回koiは自分の自転車を持参しましたが、穂高神社からほど近い穂高駅周辺には、スポーツ自転車、電動自転車など様々な自転車がレンタルできる貸し自転車屋さんや、電動機付自転車のシェアサイクリングスポットもあるので、自転車を持参せずともサイクリングが楽しめます。
車をこの大駐車場に置き、まずは「穂高神社」散策です。
穂高神社の本殿は交通安全や金運にご利益があると言われており、長野県内ではここ穂高神社でご祈祷いただいた車をよく見かけます。
境内には他にも立身出世のご利益があるという「若宮」や、「健康長寿道祖神」、樹齢500年以上とも言われる「孝養杉」など見所たくさん。
koiが訪れた時は「花手水」なるものを設置されており、美しい花と水音に癒されました。
田園風景の中「大王わさび農場」に向けサイクリング
次の目的地として選んだのが「大王わさび農場」。
穂高神社から「大王わさび農場」までは住宅街や田園風景の中をサイクリング。
水を張った田んぼとまっすぐに伸びる道路、そして雄大な北アルプスが調和した絶景に心が躍ります。
水田の合間に小麦?畑もちらほら。
大王わさび農場で一休み
穂高神社から約2.5km、10分ほどで「大王わさび農場」へ到着です。
わさび生産量日本1位を誇る長野県(出典:令和元年特用林産物生産統計調査)。
その生産量の9割を占めるのが「安曇野市」です。
市内には100を超えるわさび田があるとのことですが、その中でも約15ヘクタール(実に東京ドーム10個分余!)と群を抜いた大きさを誇るのがこの「大王わさびの農場」。
年間生産量約130トンと安曇野随一のわさびの生産量のほか、コロナ前は年間100万人以上もの人が訪れる安曇野でも随一の観光スポットとしても知られています。
ゴールデンウィークの中日に訪れたということもあり、県内外から訪れた多くの車が長打の列となっていました。
駐車待ちだけでも30分くらいかかりそうな列でした・・・
そんな長打の列を横目に見ながら、すいすいと駐輪場に愛車(クロスバイク)を駐車!
※スポーツバイクが駐輪できるような設備も整っていました
この「大王わさび農場」を訪れたら、ぜひ食べたいのが「わさびソフト」。
さっぱりしたミルクべースのソフトクリームにわさびの風味とほのかにツーンとした辛味が感じられます。
わさびソフトで鋭気を養ったら次の目的地に向け出発です。
せせらぎの小径をゆっくり歩いて「安曇野わさび田湧水公園」へ
万水川沿いの土手を歩く全長約2Kmほどのコースでkoiは「大王わさび農場」からほど近い橋付近からこの「せせらぎの小径」に入りました。
砂利道のため、クロスバイクでは走りづらいことから歩いて散策。
その名のとおり、川のせせらぎや小鳥のさえずりが心地よく、歩いているだけで癒されます。
2011年4月~10月に放映されたNHKテレビ小説の第84シリーズ「おひさま」のロケ地としても登場するなど、安曇野らしい景色が楽しめるのに、koiが訪れたときには誰ともすれ違うことがないほど人がいない、穴場スポットでした。
20分ほどのウォーキング+ちょこっとサイクリングを楽しみ、到着したのが「安曇野わさび田湧水公園」です
県民豊科運動広場の隣にあり、クロスバイクはこの運動広場に駐輪。
1985年に環境省の「名水100選」にされたほか、2015年に「名水100選」選定30周年を記念して実施された、「名水100選」選抜総選挙にてみごと「観光地として素晴らしい名水部門」及び「景観が素晴らしい名水部門」両部門で第1位を獲得した安曇野。
この「安曇野わさび田湧水公園」には名水100選に選ばれたことを記す石碑が建てられているほか、東屋が建てられていたり、池には魚やカモが泳いでいたりとピクニックなどにもよさそうな公園でした。
スイス村から犀川堤防道路へ
次に向かったのは「スイス村」。
というのも「穂高神社」へと車で向かう際に、菜の花と北アルプスが望める素敵なスポットを目にし、ぜひその風景を写真に収めたかったんです。
町中を自転車で進むこと5分ほどで「スイス村」へ到着です。
「スイス村」の直売所に立ち寄り、菜の花越しの北アルプスの写真をスマホに収め、次の目的地に向かうため、いったん「大王わさび農場」へと戻ります。
来た道を引き返すのではなく、「犀川堤防道路」を通って大王わさび農場へ
道中、田んぼにうつる北アルプスの水鏡や犀川の流れ、大王わさび農場の裏側にも広がる広大なわさび畑など、さまざまな絶景に出会うことができました。
再び「大王わさび農場」の駐車待ちの行列を横目に見ながら、「水色の時道祖神」へと向かいます。
水色の時道祖神~早春賦の碑へ
次に向かったのが「水色の時道祖神」です。
市内に約600体もの道祖神があると言われる安曇野市はまさに道祖神の宝庫。
道祖神は、五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄などの願いがこめられ作られ、村の守り神として、村の中心、道の辻、三叉路などに佇んでいます。
この「水色の時道祖神」は1975年4月~10月に放映されたNHKテレビ小説の第15作目「水色の時」のために製作されたとのことです。
安曇野市内でみかける他の道祖神よりも、奥行きがあって、なんとなくあどけない雰囲気が印象的。
水色の時道祖神を写真に収めて、穂高川の堤防沿いにある「早春賦の碑」に向かいます。
「日本の歌百選」にも選ばれる「早春賦」はこの歌を作詞した吉丸一昌氏がこの地を訪れた際に見た大町~安曇野周辺の早春の情景をうたったものと言われています。
碑の近くにはオルゴールも設置されており、スイッチを押すと「早春賦」のメロディーが奏でられます。
早春賦のメロディーとともに堤防道路から眺める安曇野の絶景はまた格別です。
遅めの昼食は「スープカレーのハンジロー」で
安曇野には、わさび・そばなど魅力的な信州らしいお食事どころがたくさんありますが、今回はサイクリングコースの通り道にある「スープカレーのハンジロー」で腹ごしらえ。
ゴールデンウィークということもあり、大行列でしたが、疲れもたまっていたのとほぼ今回訪れたかったところも訪れ終わったので、おとなしく待つことに。
ちょうどkoiが最後でスープが売り切れてしまったようです。
スープカレーのハンジローの敷地の隣には川魚の養殖池が。
安曇野にはこのようなニジマスや信州サーモンなど川魚の養殖池を多く見かけますが、これはワサビ田からでた排水を活用しているとのこと。
北アルプスからの湧水はワサビの次には、おいしい川魚も育んでいたとは驚きです。
待つこと約1時間半、スープカレーにありつきます!
腹ごしらえも済ませたので、帰路につくため穂高神社方面へと戻ります。
禄山美術館に立ち寄り帰宅
穂高神社に戻る道中「禄山美術館」はこちらとの看板が。
せっかくなので、立ち寄って帰ることにしました。
安曇野には18もの美術館が点在しており、これら一帯は「安曇野アートライン」と呼ばれています。
その「安曇野アートライン」の一角を担う「碌山美術館」には近代彫刻・荻原守衛(号:碌山)の作品や、彼の系譜に連なる彫刻家の作品が収められています。
近代彫刻の美に触れ、今回の安曇野サイクリングは終了です。
最後に:サイクリングでディープな安曇野に出会おう!
今回楽しんだ「安曇野サイクリング」。普段車で訪れると出会えないような道や、道祖神をはじめとする多くのスポットに気づくことができました。
市としても「サイクリング」に力を入れて取り組まれているようで、安曇野市の公式観光サイトでは、サイクリングコースが3コースほど紹介されています。
また、首都圏ではお馴染みの「シェアサイクリング」も長野県内では先駆けとなるも2018年夏には導入されています。
みなさんも安曇野にお出かけの際には、ぜひゆっくりと自転車で巡り、ディープな安曇野に出会ってみてくださいね!
<今回のサイクリングコース>
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