そば県信州のオリジナル品種！タチアカネを求めて青木村へ

信州を代表する郷土食のひとつ「そば」。

日本三大そばの一つ戸隠そば、霧下そば、更科そば、富倉そば、高遠そばなど、県内各地でさまざまな形で蕎麦が食されてきました。

そんなそばの原料、蕎麦の実（玄そば）も多種多様な品種が存在することをご存じでしょうか。

そばどころ長野県は、玄そばの種類も豊富。

長野県野菜花き試験場（旧：長野県農業試験場）が開発した「信濃１号」、「しなの夏そば」、「ひすいそば」、「タチアカネ」、信州大学が開発した「信州大そば」、「高嶺ルビー」などの品種に加え、伊那市の「入野谷在来」など様々な在来種が存在します。

白い花と赤い実が可憐な「タチアカネ」の花が見ごろを迎えたとの便りを聞き、9月19日に青木村を訪れました。

「タチアカネ」とは

長野県中信農業試験場（現：長野県野菜花き試験場）が開発し、2010年に新品種として登録された「タチアカネ」。

茎が丈夫で倒れにくい様（タチ）と、あかね色の実（アカネ）が「タチアカネ」の名前の由来。

白い花と赤い実のコントラストがなんともかわいらしい品種です。

実はこの「タチアカネ」、現在は長野県東部の「青木村」のみで栽培されています。

というのも、他花受粉性※の作物である蕎麦は、異なる品種が近くで栽培されていると、交雑してしまい、その品種本来の特徴が変化してしまう可能性があるんです。
※花粉が別の個体にある花の雌しべについて受粉すること

そのため、長野県は隔離された圃場（畑）で集団的に栽培する地域を限定しているそうです。
※出典：パンフレット「青木村特産そばタチアカネ」（http://www.vill.aoki.nagano.jp/asset/00032/kanko/pamphlet/07tachiakane.pdf）

この「タチアカネ」の唯一の圃場（畑）として選ばれたのが青木村なんです。

青木村の名所のひとつ三重塔

「タチアカネ」の花が見られる場所

青木村がタチアカネの畑を唯一有する村といっても、村内に広大なそば畑が広がっているわけではありません。

遊休農地の解消や中山間地域の転作作物として導入された経緯もあり、村内にぽつぽつと畑が点在しています。

そばの花の時期は稲刈りの最盛期。黄金に輝く田んぼの間にぽつぽつとそば畑もありました

Tackとkoiも青木村に訪れた際、以下のような場所でみかけました。

「１」の場所にあることに最初気づかず、Tackとkoiは「３」の場所で写真をパシャリと撮影させていただきました

「タチアカネ」のそばが食べられるお店

ほんのりとした甘さと風味の良さに定評のある「タチアカネ」のそば。

村内５店舗でその味を楽しむことができるそうです。

青木村の公式ウェブサイトに掲載されているタチアカネそば店「MAP」に大まかな位置と各店舗の特徴・営業時間・座席数・駐車場の状況などが紹介されており、訪れる際の参考になりそうです。

「タチアカネ」関連商品が購入できる場所

青木村が特産品化のため力を入れる「タチアカネ」。

「生そば」のほか、「そば粉」、「タチアカネの蜂蜜」、タチアカネのそば焼酎「たち茜」、タチアカネのそば粉が入った「信州そば～む」など、さまざまな商品が展開されています。

そんなタチアカネ関連商品が一堂に揃うのが「道の駅あおき」です。

道の駅あおき。マスコットキャラクターの「あおきのこ」の像が目を引きました

Tackとkoiが訪れた日は3連休中日ということもあり、多くのお客様でにぎわい見せていました。

高級ぶどうに松茸も販売中！？「道の駅あおき」

農産物直売コーナーも設けられている「道の駅あおき」。

Tackとkoiが訪れた際には秋の味覚「ぶどう」も多種多様なラインアップで販売されており、人気の高い高級ぶどう「シャインマスカット」も900円～とお手軽価格で購入可能！

道の駅青木で購入したぶどう達。左から巨峰（500円）、クイーンルージュ（900円）、特大シャインマスカット（1,320円）

そしてこの農産物直売所、驚くべきことに「青木村産松茸」も販売していました。

6,000円～21,000円と大きさに応じた価格設定。

訪れた日は収穫量が少なかったとのことでおひとり様につき１つとのこと

長野県が収穫量1位を誇る「松茸」。特にこの青木村を含む「上小地域」での収穫が盛んです。

とはいえ、道の駅で販売しているとは驚きです。

加えて、松茸料理を食べることもできるのが、「道の駅あおき」のすごいところ。

「タチアカネそばを楽しむことができる場所」としてご紹介した、「味処こまゆみ」では期間限定で松茸ごはん（1,300円）や松茸ごはん＆天ぷらセット（2,000円）、松茸こまゆみセット※（3,000円）なども提供しています。
※松茸ごはん、松茸のお吸い物、松茸＋αの天ぷら、小鉢、お新香、タチアカネのそばゼリーのセット

2021年シーズンはTackとkoiが訪れた9月19日（日）～からまさに提供開始とのことで、５～６人がオープン前から待ちわびていらっしゃいました。

国産松茸の販売に、本格的な松茸御前も3,000円で楽しめるとは…。おそるべし「道の駅あおき」。

まとめ

今まさに見ごろを迎えた「タチアカネ」の花。

この後収穫を迎え、10月～11月になるといよいよ「新そば」の季節が到来です。

戸隠を筆頭に、県下各地でおいしいそばを楽しむことができる信州。

ぜひ信州の東部地域を訪れる際にはこの「タチアカネ」のそばも楽しんでみてくださいね！

＜今回訪れた場所＞